24.Nellcor Puritan Bennett
Companion 2801
1.特徴(図III-24-1)
電動モーターによってロータリーピストンを駆動して吸気ガスを発生する。モーターはMPUによって制御する。内蔵バッテリー、外部バッテリー、AC電源の3電源に対応する。
2.性能
モード..........Control,Assist/Control,SIMV (+PEEP)
一回換気量..50〜2800ml
流量...............20〜120LPM
呼吸回数.......1〜69BPM
バッテリー作動時間...1時間
重量...............16.1 Kg
消費電力....... 100V 2.5A, 12V 4A
3.機構の概略(図III-24-2)
呼気時にはfilter, inlet check valveを経て外気をピストン内に吸引する(バックストローク)。吸気時にはピストンが駆動されて吸気ガスをつくる。Pressure Limit Control(回路内圧上限設定)により規定した以上の圧はリリーフする。呼気弁にはexhalation valve solenoidを経由して駆動圧が加わる。吸気圧リミット(アラーム上限)に達するとexhalation valve solenoidが作動して呼気弁を強制解放する。
4.操作(図III-24-3)
換気量とSIGHボリュームは2軸式のつまみになっている。外側の大きなつまみが一回換気量用で、内側の小さい方のつまみがSIGHボリュームの設定用である。それ以外の項目はパネルどおりである。PEEPが必要な場合はオプションのPEEPバルブを利用する。酸素濃度は(オプションの)アキュムレーターに酸素を接続することである程度までは設定可能である。
酸素流量(LPM)=分時換気量(LPM)*(1.26*FiO2-0.26)の式で計算できる。
5.アラーム
電源、低吸気圧、回路内圧上限、無呼吸、I:E比が0.8以下、装置不良状態、等のアラームが設けられている。
1)電源
AC電源、外部バッテリー、内部バッテリーの優先順位で自動的に切り替えられる。AC電源利用中には外部バッテリーも充電する。優先順位が上位から下位へ切り替わる時にはリセットするまでアラームが鳴る。逆の場合には鳴らない。内蔵バッテリの電圧が11.9V以下になるとアラームが鳴り、バッテリー低下インジケーターが5秒間点滅する。それ以降はアラームは止まりインジケーターは点灯したままになる。
2)低吸気圧
Control, Assist/Controlモードでは15秒もしくは2呼吸続けて、SIMVモードでは2呼吸続けて、気道圧が設定値を超えないとアラームが鳴る。
3)回路内圧上限
設定上限に達するとアラームが鳴り呼気弁を強制解放する。
4)無呼吸
SIMVモードのみ有効。呼吸回数が7BPM以下の設定であれば、15秒間トリガーがなければインジケーターが点滅し、アラームが鳴る。さらに30秒間トリガーがなければ自動的に12BPMでバックアップ換気が行われる。もし10秒以内に2回続けてトリガーすれば自動的にSIMVモードに復帰する。呼吸回数の設定が8BPM以上の設定であれば、インジケーターが点滅する。
5)その他
I:E比が0.8以下、装置不良状態、等でアラームが鳴る。
6.メンテナンス
バッテリーテストは移動する前に必ず行う。バッテリーテストボタンを3秒以上押すとテストモードになる。AC電源スイッチをOFFにすると、内蔵もしくは外部バッテリーの電圧がアナログメーターに表示される。バッテリー動作できる時間が短くなれば早めに交換する。機器設定や患者回路は毎日確認する。患者回路、呼気弁、加湿器は週に2回交換、洗浄、滅菌する。6000時間毎に機器の定期点検を受ける。
図III-24-1 Companion 2801の外観
図III-24-2 Companion 2801の構造
図III-24-3 Companion 2801の操作パネル
図III-24-3 Companion 2801の患者回路